真相は「更迭」…NHK大越キャスター“3月末降板”の舞台裏
安倍政権の“メディア規制”を象徴する情報が飛び込んできた。「NHK『ニュースウオッチ9』の大越健介キャスターが3月末で更迭」というのである。
この人事には、陰に陽にNHKの報道に“圧力”をかける安倍官邸の意向が働いているようだ。後任は、ワシントン支局長やBSの国際ニュースでキャスターを務めた経験のある河野憲治・報道局国際部長だという。
大越キャスターは政治部記者を経て、05年から4年間、ワシントン支局長を務めた後、10年3月に「ニュースウオッチ9」の顔となった。
番組内では淡々とした語り口で独自の見解を述べ、物議を醸すこともたびたび。良くも悪くも“名物”キャスターとして名を馳せている。
大越氏のキャスター歴は丸5年。テレビ業界は4月が改編期なのでNHKは「それに合わせた交代」と説明するのだろうが、内実は違う。大越キャスターの原発に対する慎重な姿勢に、官邸は随分前から不満だったという。
「大越さんは、ブログで『原発事故の教訓はどうなったのか』『(福島原発事故は)原子力の安全神話を崩壊させ、技術への過信に大きな警鐘を鳴らした』などと、原発再稼働に厳しい発言が多い。そこに難色を示す安倍官邸の意向が、籾井勝人会長を通じ局内に伝わっていて、去年から大越さんの交代が検討されていました。上層部の共通認識になっていました」(NHK関係者)