松嶋菜々子 「レッドクロス」で魅せた“迫真演技”に作家が絶賛
今月1日と2日の2夜連続で放送されたTBS60周年特別企画ドラマ「レッドクロス~女たちの赤紙~」。放送前に行われた制作発表会見で共演者やスタッフが口々に称賛していたのは、松嶋菜々子(41)の鬼気迫る演技であった。
ま、関係者が主演を褒めそやすのはお約束だが、辛口の放送批評で知られる作家の麻生千晶氏(以下同)も、「松嶋さんの存在あってこそ成立した質の高いドラマ」と評価する。
第2次世界大戦中、赤十字の従軍看護婦として満州に赴いた女性の物語。脚本は史実をもとにしたオリジナルで、「砂の器」(04年)や「華麗なる一族」(07年)を手がけた敏腕プロデューサーの瀬戸口克陽が企画立案から3年もの月日をかけ、演出は「半沢直樹」(13年)を生んだヒットメーカーの福澤克雄が手がけた。つまり、TBSが総力を挙げて取り組んだ作品というわけだ。
麻生氏の総評も「単純にエピソードを羅列するのではなく、戦争によって離れ離れになった母と子を描くという一本の筋を立て、丁寧に要素を積み上げていた。カメラワークも中国の壮大な情景や川辺での機銃掃射のシーンなど俯瞰のアングルを効果的に用いて、見る者の心に響かせていました」となかなか。