「東京ロマンチカ」からスナック修業へ 浜博也が語る貧乏生活
明菜にキョンキョン、堀ちえみら、「花の82年組」と呼ばれたアイドルと同期だが、華々しさとはほど遠い歌手人生を送ってきた。東洋大在学中にTBS「11時に歌いましょう」で3週勝ち抜き、「鶴岡雅義と東京ロマンチカ」にスカウトされてデビュー。3代目リードボーカルとして弱冠20歳のスタートを飾った浜博也さん(53)だが……。
「田舎へ帰れ!」ってグループをクビになったのが、そのわずか3年後のことです。移動はグリーン車、営業先ではうまい酒が出る接待があったりで、完全にテングになってしまったんです。それで、「男女の情愛や、下々の心の機微も分からないでムード歌謡が歌えるか!」って散々、怒鳴られて、上尾のスナックのマスターをやるよう命じられました。
テングといってもね、月給5万円で、税金を引かれて手取り4万5000円ですけど。営業先が100キロを超えると出る3000円の手当を楽しみに、2つあった事務所の寮のひとつ、川中美幸さんらのいた「出世部屋」じゃない方の6畳で寝起きしてました。まさにウナギの寝床、畳が縦に並んだような部屋で、寝返りを打っただけで窓ガラスにぶつかる。それで右の親指を切った傷痕が今も残っています。