ハリウッドでもまれ逞しく…工藤夕貴“諦めない女優”の原点
公開中の映画「この国の空」(荒井晴彦監督)に出演。終戦間近の東京を舞台に、戦争に翻弄される男女を描いた作品で、ヒロイン・二階堂ふみの母親役を演じている。日本公開に先駆けてニューヨークで行われた北米映画祭「JAPAN CUTS 2015」では監督と共に登壇し、日本の終戦70周年記念の映画を大いにアピールした。
1971年1月17日生まれ。父は歌手の井沢八郎で、実家は多摩丘陵の緑に囲まれた豪邸。しかし、母は酒を飲むと豹変する父を嫌って単身で別居。学校にも家にもなじめず孤独な日々を過ごした。
転機は中学入学前の春休みに訪れた。渋谷でスカウトされて芸能界入り。セーラー服姿でやかんを持って走るカップ麺の「お湯をかける少女」のCMでデビューし、アイドル歌手として注目。この頃、事務所から女優のオーディションを勧められるが「歌手は歌手であるべき。芝居するつもりはない」と頑として譲らなかった。
しかし、無理やり行かされたオーディション会場で、つっぱりアイドルの役をアドリブで演じたところ合格し、84年、石井聰亙監督の「逆噴射家族」で女優デビュー。