俳優・宅麻伸が感謝する “名付け親”天知茂さんが残した言葉
1978年に「新・七人の刑事」(TBS系)でデビュー。「上司にしたいナンバーワン」にも選ばれ、90年代は「課長島耕作」(フジテレビ系)で、渋い魅力を発揮していた宅麻伸さん(59)。俳優への道筋をつけてくれたのは故・天知茂さん(享年54)だ。
■芸能界に導いてくれた“名付け親”
天知さんは僕の芸名の名付け親なんですよ。本名は“詫摩繁春”。“詫”から“言”を、“摩”から“手”を取って名字をつけ、“伸”は僕の正式デビュー作となった「新・七人の刑事」でも主演されていた芦田(伸介・故人)のオヤジからいただいたんでしょうね。
天知さんは「宅麻伸」と半紙に墨で書いてくださいました。ドキドキしましたね。デビュー後、ファンの方から「“たくましい”をもじったんですか?」って手紙が来ましたけど、そうじゃないと思います(笑い)。
どうして天知さんが僕の芸名の名付け親になってくれたかというと、天知さんが僕を芸能界に導いてくださった方だからです。僕は岡山の玉野市出身で、中学卒業後、定時制高校に通いながら、地元の三井造船の造船所で働いていました。設計図を見ながら、“けがき”といって、鉄板に実寸をマーキングする作業をしていたんですけど、ちょうど高校を卒業するとなった頃、就職に対して思案するようになり、そうしたら職場の先輩に「役者とかモデルを目指したらどうだ」って言われて。