「サムライせんせい」の神木隆之介 “軽い龍馬”で光る演技力
【連載コラム TV見るべきものは!!】
2013年から14年にかけて放送された「信長のシェフ」(テレビ朝日系)。料理人の若者(玉森裕太)が戦国時代にタイムスリップし、なんと織田信長の“お抱えシェフ”となる物語だった。
この「サムライせんせい」(テレビ朝日系)は逆パターン。突然、幕末から現代へ、時空を超えてやってきた志士たちが巻き起こす珍騒動だ。切腹したはずの武市半平太(錦戸亮)は、ちょんまげ姿のまま神里村の路上で目覚める。そして、人の良い元小学校校長(森本レオ)が経営する学習塾の臨時講師となった。
半平太が今どきのヒトやモノに驚く様子や、周囲の村人たちとの間で起こす摩擦が、我々が当たり前だと思っている社会や常識へのプチ批評になっているところがミソだ。
半平太より先にタイムスリップしてきていた坂本龍馬(神木隆之介)との対比も効いている。この龍馬、すっかり現代に馴染んでおり、パソコンやスマホも駆使するフリーライターになっていた。神木の演技は相変わらず達者だ。武士のままの半平太とは異なる軽さと如才なさで笑わせる。