破門されて1年…桂きん枝さんを救った亡き恩人の“直談判”

公開日: 更新日:

 芸歴47年目、円熟の噺家として人気の桂きん枝さん(65)。だが、かつて師匠だった5代目桂文枝(故人)から破門されて、落語界どころか芸能界からも消えていた空白の1年があった。その窮地を救ったのがこの人だった――。

  ◇  ◇  ◇

「多持(5代目桂文枝の本名、長谷川多持)、きん枝、戻してええか……。戻すで」

「兄貴がそう言うなら、しゃあないなあ」

 大阪・玉出にあった先代の文枝師匠のご自宅ですわ。忘れもせん、1984年の春。故・6代目笑福亭松鶴師匠(享年68)が、破門・謹慎中やった私を連れて、文枝師匠の自宅へ行き、復帰を直談判してくれはったんです。

 僕は玄関におって中の様子は見えへんかった。それでもおふたりの声はよう聞こえてました。この瞬間、僕の約1年の破門が解けて復帰が決まったんです。

 文枝師匠は当時、松鶴師匠、3代目桂米朝師匠、3代目桂春団治師匠と並んで、「上方落語の四天王」と言われておったんですが、先代(4代目桂文枝)とも付き合いがあった松鶴師匠を兄のように慕っておりました。それで「兄貴が」と返したわけです。あの時松鶴師匠が頼んでくれへんかったら今もこうして噺家してられてるか……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  3. 3

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  4. 4

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  5. 5

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  3. 8

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状

  4. 9

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  5. 10

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  2. 2

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状

  3. 3

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  4. 4

    宮崎あおいが格闘技&YouTubeデビューの元夫・高岡蒼佑「表舞台復帰」に気を揉むワケ

  5. 5

    『いままでありがとうございました』

  1. 6

    「コネ入社は?」にタジタジ…10時間半会見で注目浴びた遠藤龍之介フジ副会長が、社長時代の発言を掘り返される

  2. 7

    元女子アナ青木歌音がTKO木下と「ホテルに連行」事件を巡り対立も…もう一人の"性加害"芸人もヒント拡散で戦々恐々

  3. 8

    笑福亭鶴瓶「スシロー」CM削除への賛否でネット大激論…「第3の意見」で過去の珍事が蒸し返されるお気の毒

  4. 9

    今年のロッテは期待大!“自己チュー” 佐々木朗希が去って《ようやくチームがひとつに》の声

  5. 10

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード