押切もえ 山本周五郎賞ノミネートで直木賞に“リーチ”か
第29回「三島由紀夫賞・山本周五郎賞」(新潮文芸振興会主催)の候補作が21日に発表され、モデルでタレントの押切もえ(36)の小説「永遠とは違う一日」(新潮社)が、山本周五郎賞にノミネートされて話題になっている。
普段はファッション誌で活躍する押切だが、小説は13年のデビュー作「浅き夢見し」に続く2作目での快挙。「永遠とは違う一日」は、文芸誌「小説新潮」15年1月号~16年1月号に断続的に連載された6本の短編がもとになっており、仕事や恋愛、結婚など人生の岐路に立つ女性の心情が生き生きとした筆致で描かれている。
他の候補作品は、湊かなえ氏の「ユートピア」、中田永一氏の「私は存在が空気」、相場英雄氏の「ガラパゴス」、宮内悠介氏の「アメリカ最後の実験」という力作揃い。押切の作品がどこまで評価されるか注目が集まっている。
新潮文芸振興会が主催する山本周五郎賞、三島由紀夫賞は、ノミネート作品がそれぞれ同年の直木賞、芥川賞(日本文学振興会主催)の候補作と重複することも多く、11年には池井戸潤氏の「下町ロケット」が同年の直木賞を受賞。昨年はピースの又吉直樹(35)のデビュー小説「火花」が、同じく三島由紀夫賞にノミネートされ、同賞は逃したがその後、芥川賞を受賞している。
選考会は5月16日に都内で行われ、その日に結果発表。又吉に続く押切フィーバーとなるか。