若かりし日の黒柳徹子を好演 満島ひかりの光る芸達者ぶり
4月クールはオンナが主役の恋愛ドラマが多くて、中高年は興味が持てないが、“主演女優の使い方”で比べると、秀逸なドラマがひとつある。
「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS系/主演・中谷美紀)と「早子先生、結婚するって本当ですか?」(フジテレビ系/同・松下奈緒)はタイトルからしてウンザリの“婚活ドラマ”だし、逆に「コントレール」(NHK/同・石田ゆり子)は旦那を殺した男を愛してしまうというシリアスで暗~い中身。以前、当コラムで触れた「重版出来!」(TBS系)の黒木華は元気のいい新人女性編集者をリアルに演じていて、結婚ものに出てる女優より個性的だが、まだ良さを出しきってはいないと思う。
以上の1時間ものより注目度はやや低く、時間も30分弱の連ドラ「トットてれび」(NHK)が2話オンエアされた。これが他の女優主演ドラマとは異質なのだ。
タイトルからわかるとおり、黒柳徹子の若い頃の話。黒柳はテレビ創成期のNHK専属俳優(何でもこなす専属タレント)の第1号だった。主演は満島ひかり(30)で、昭和28年当時の二十歳からの黒柳に扮している。