柳楽優弥が“第2ステージ” 暴力演じたらピカイチの俳優に
柳楽優弥(26)が暴力に魅入られたモンスターのような男を演じる映画が評判になっている。「ディストラクション・ベイビーズ」(真利子哲也監督)という、まったくもってぶっ飛んでいる作品だった。
舞台は四国の愛媛。極めて単純化すれば、柳楽扮する青年が人を殴ったり、人に殴られたりするだけの作品である。その暴力の合間に、申し訳程度に物語がぶらさがっているといった感じだ。
話といっても、たいしたものがあるわけではない。松山に出てきた男を捜す弟(村上虹郎)に街の札付き高校生(菅田将暉)、ホステス(小松菜奈)らが絡んで男の暴力の行方と歩調を合わせていくだけなのである。
柳楽が思考回路がショートしたかのように、無機質に暴力を続けていくのにはまったくゾッとさせられる。ただ、その暴力の行き先が極めて意図的に見えるのが面白い。弱い者いじめではないのだ。順繰りに港町の若者、松山に移ってからはとっぽいミュージシャン、高校生のワル、チンピラ、ヤクザと、暴力の矛先が徐々に“グレードアップ”していく。