二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

左頬の刀傷と眼光…初めて生で見た安藤昇は想像以上の迫力

公開日: 更新日:

 元ヤンキーを売りにバラエティー界を席巻した木下優樹菜は、現役時代を彷彿するヤンキーぶりを露呈するタピオカ騒動を起こして芸能界を引退した。昭和には「元ヤクザの親分」から俳優になり、人生を全うした人がいた。

 安藤昇(享年89)。自身がつくった「安藤組(正式には別な組名だが、マスコミが名字を取って付けた組名)」から堅気になり、ヤクザ映画のスターになった伝説の俳優である。

 記者稼業の魅力のひとつが取材で政治家からヤクザまで誰にでも会うことができること。俳優を引退した1980年代にインタビュー企画で取材したのが安藤との出会いだった。取材場所は事務所。渋谷の繁華街とは反対の比較的静かな場所にあったビルのワンルーム。

 初めての取材でいきなり本題に入れるのは直撃ぐらい。じっくり話を聞く時は取材の入り口を考える。真っ先に聞いたのは「やはり渋谷にはこだわりが――」だった。安藤にとって渋谷は不良グループで鳴らした学生時代から1952年に「安藤組」をつくった思い出深い街だ。

「渋谷は庭のようなもの。離れることは考えられなかった」と苦笑いしたが、打ち解けることができた。それでも初めて生で見る顔は想像以上の迫力。トレードマークの左頬の刀傷は肉が少し盛り上がっているようで生々しささえあった。目もしかり。市川海老蔵歌舞伎で鍛えた眼力で知られるが、それとは違うヌメッとした感じで、奥から鈍く光る眼光は怖い。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  2. 2
    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った

    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った会員限定記事

  3. 3
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  4. 4
    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

  5. 5
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    石原裕次郎(12)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(12)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

  4. 9
    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた

    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた会員限定記事

  5. 10
    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」