桧山珠美
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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

だれ?だれ?NHK紅白出場者の名前を聞いてもわからない…

公開日: 更新日:

 今年もこの季節がやってきた。大晦日の「NHK紅白歌合戦」出場歌手発表だ。

 年々初出場組の名前を見ても「だれ?」とピンとこないことが多くなっているが、今年ほど「だれ?」感が強いことはない。もしかすると、自分はこの1年、タイムリープしていたのではないかと思うほど。

 ちなみに、初出場組は、紅組がAwesome City Club、上白石萌音BiSH、millennium parade×Belle(中村佳穂)の4組、白組がKAT-TUNSnow Man、DISH//、平井大、布袋寅泰、まふまふの6組の計10組。

 だれ? だれ? のオンパレード。BiSHにDISH//はややこしや~だし、そもそもだが、DISH//の「//」って何なんだ? つのだ☆ひろの「☆」とか、モーニング娘。の「。」とかと同じもの? それともディッシュスラッシュスラッシュ?

 萌音とか布袋とかは1人なのはわかるが、それ以外は何人組か、どんな歌を歌っているか、どうして選ばれたのか。

 ネット系マルチクリエーターだかなんだか知らんが、「まふまふ」が普段しているマスクを「紅白」では外し、初顔出し(?)するらしいが、そんなのありがたいか。

■若者に媚び売り過ぎ

 若い視聴者を取り込みたくて必死なのはわかるが、そもそも「紅白」を楽しみにしているのは多くの高齢者で、長年、律義に受信料を支払い、NHKを支えてきた。なのにこの仕打ち。「みなさまのNHK」の若者迎合ぶりは目に余る。この1年コロナに怯えながら、家でじっと過ごしてきたお年寄りへ、大晦日にお歳暮代わりの「紅白」を届けようと思わないのか。

 辛うじて残った天童よしみや三山ひろしら演歌勢もけん玉させられたり、ジャニーズに腹筋太鼓されたり、だいたい落ち着いて歌を聴かせる気など、さらさらない。

視聴者は「年忘れにっぽんの歌」にシフトする

 嵐やV6がいなくなってジャニーズ枠が減るかと思ったら、いまさらKAT-TUNが初登場とは。紅白のジャニーズ枠は決まっていて、年末の予算確保のための無駄な道路工事にも似たやり口はいかがなものか。

 郷ひろみとか松田聖子って「紅白」でしか見ないんですけど、とか、平井大より平井堅を、とか、坂道グループ多過ぎとか文句は尽きない。

 もっとも、このところ「紅白」は正規の出場歌手よりも後から発表するおまけの方が豪華だったりするので、おまけに期待するしかないか。

 今年は民放視聴率ナンバーワンの「ダウンタウン絶対に笑ってはいけない」シリーズが休止になり、「絶対笑って年越したい!笑う大晦日(仮)」をやるとか。笑って年越しという視聴者はこちらを、そして懐かしい歌を聴いてしみじみ年を越したい視聴者は、テレビ東京系「年忘れにっぽんの歌」を。「紅白」から視聴者が大量流出するのは間違いない!? 

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