「エロ漫画の巨匠」ダーティ・松本さん 写真が“自画像”の理由
「肉の奴隷人形」「闇の淫虐師」「女教師美蝶」「美少女たちの宴」など昭和の時代、70年代半ばから80年代にかけ、SM風の過激エロ漫画を描き、男どもの股間を限りなく熱くさせた漫画家がいた。ダーティ・松本さん(65)だ。若き美貌のバレリーナが拘束され、あえぐ姿は実に生々しかった。松本さん、今どうしているのか。
「基本的に取材は“顔写真ナシ”でお願いしてるんだよ。っていうのも、漫画じゃヌケたのに、ボクの顔を見たらヌケなくなった、って弊害がけっこう生じてね。顔がさらされると、エロ漫画の実用性が失せかねない危険があるんだ、ハハハ」
JR巣鴨駅に近いファミレスで会った松本さん、こういって笑った。作品から連想して、勝手にハードなSM系の風貌を思い描いていたが、あにはからんや、“おとなしいオジさん”といった印象だ。
「昔はエロ漫画誌がたくさんあって注文をこなすのに大変だったけど、今は描き下ろし中心、のんびりマイペースでやってるよ。漫画の仕事以外にも『猫の絵本』を描いてアマゾンで電子書籍として売ったり、往年の作品を復刻してネット通販に卸してる。国民年金と郵便局の年金保険をもらい、足りない分は描いて稼ぐって感じかな」