大谷翔平の“一平ちゃん騒動”で不安に…友人とのお金のトラブルQ&A【弁護士解説付き】
公私で密な関係だった大谷翔平と水原一平氏
ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電撃解雇された件。
現地時間3月25日には、大谷が記者会見を実施し「彼が僕の口座からお金を盗んで、みんなに嘘をついていたということになります」と自ら訴え、コトの重大さを印象づけた。
問題が発覚した当初、水原氏は米メディアのインタビューで、約6億8000万円の借金を「(大谷が)肩代わりした」と話したが、大谷側は否定している。
真相は今後明らかになるだろうが、大谷は水原氏に通訳業だけでなく、一緒にゲームをしたり、運転手やトレーニングのサポートなど幅広くかかわっており、公私で密な関係だった。そう、それは時に親友のような間柄だったといえるだろう。
身内にも見放され、他人に助けを求める
今回の事件は言い換えれば、めちゃお金持ちのマブダチの“財布”からお金を拝借したのがバレたという構図。もちろん金額は桁違いだが、われわれ一般人でも親しい友人と金銭のやり取りで揉めるケースは珍しくない。
実際あった親友間の金銭トラブルを、民事訴訟に詳しい弁護士の山口宏氏に聞いた。
「友人間の金銭トラブルによる相談は多く、前提として覚えておいてほしいことがあります。お金に困っている人は、まずは銀行、消費者金融、親兄弟の親族、婚約者などを頼るのが一般的で、親友といえど他人に助けを求めるのは、身内にも見放されたケースが少なくありません。
そんな背景があるので、貸した額が大きくなるほど戻ってこない。その多くが借用書がなく、泣き寝入りしています」
友人間の金銭貸し借りトラブルQ&A
以下、気になる疑問を山口氏に解説してもらった。
Q. 友人間の貸し借りに時効はない?
「借金は返済期限から5年が時効になります。友人間のお金の貸し借りは大半が期限が定まっていませんが、その場合、裁判所では『一定期間』が過ぎてから5年を目安にしています。一定期間とはおおよそ2、3カ月とされています」
Q. 実際の法廷の場で起きているトラブルで多いのは?
「お金を借りた側が『覚えていない』と答えるケースです。裁判は代理人同士が話し合いをするので、あり得ない発言が飛び出します。原告が証拠として、『送金記録』を提出しても被告が『これは、俺がお前に貸した金を返金した記録だ』と主張。この場合、裁判官はどっちが本当か知らないので証拠採用が難しくなります。そのため、『借用書』が必須になるのです」
Q. 友人間で『借用書』は頼みにくい。LINEのやり取りは証拠になる?
「LINE上のやり取りも証拠になりますが、必ず、『いつまでに〇〇万円貸してください』『わかりました。XX日に銀行から振り込みますから、3カ月以内に返済してください』など、相手との合意を記録に残しましょう」
Q. 意図的じゃない「借りパク(他人のものを借りたまま返さず、自分のものにしてしまうこと)」は犯罪?
「モノには所有権が発生します。貸主は、所有権にもとづいて返還請求ができます。時効はありませんが、これも時間が経っていれば『借りた・借りてない』問題に発展し、貸主が本人のものか証明しなければなりません」
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ちなみに日本弁護士連合会によると、金銭の貸借(返還請求)の弁護士報酬は着手金20万円、報奨金30万円が目安となる。
基本的に勝訴しても借主が返せないケースが多い。親友だからこそ「貸さない」決断が大事かも。
(コクハク編集部)