難関試験を突破したはずが…新入社員と企業側の「ミスマッチ」はなぜ生じるのか

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 つまり、新入社員は会社が求める理想像を“演じて”採用試験を突破してきたため、ミスマッチが生じてしまうというわけだが、これは多額のコストと時間を費やして採用活動を行っている企業にとっても不幸な話だ。企業側はこうした齟齬をどう解消しようとしているのか。

 大手デベロッパーの50代の採用担当者がこう言う。

「うちの会社では、内々定を出した時から、3週間から1カ月に1度くらいの割合で学生に連絡して食事会をしています。その席で、若手社員が学生に『本当はどう思っているのか』『入社後の不安は』などと、採用面接などで聞けなかった本音を聞いている。多くはカネと休日ですが(笑)。つまり『話が違う』という材料を入社前に潰す努力をしています。今の学生は昔と違って真面目だから、納得すれば懸命にやるが、納得しないことはやらないし、すぐリセットしようとする傾向もある。『これがうちの伝統だ』とか『とにかくヤレ』は即アウト。当たり前ですが、丁寧な説明が大事だと思います」

 間もなくゴールデンウィーク(GW)。難関試験を受けて入社した若者が、GW明けに無気力状態になる「5月病」にならないよう願うばかりだ。

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