ドカベン香川伸行氏が語っていたプロ引退後の“波瀾万丈”
「引退してからきょうまでの21年間は正直、波瀾万丈でした」
さる26日、心筋梗塞のため52歳で亡くなった元南海ホークスの香川伸行氏は2010年5月、日刊ゲンダイのインタビューでこう語っていた。確かに、89年に27歳の若さでユニホームを脱いでからの「ドカベン」の人生は、まさに山あり谷ありだった。
■3度の結婚と自己破産
九州を中心に野球評論家として活動する一方、讃岐うどんの通信販売業に乗り出すなど、引退後しばらくは生活基盤も安定していた。が、01年に急性腎不全になり、週3回の人工透析を余儀なくされてからは、苦労が多かった。テレビ局との契約は打ち切られ、オープンした居酒屋も閉店。監督を務めていた社会人野球チームもなくなった。08年に自宅が差し押さえられ、10年には自己破産した。
「心労と病気の影響もあって一時、体重が150キロに達したと本人から聞いて、心配はしていました。腎不全、心不全、大腸ポリープに軽度の脳梗塞と病が重なり、金銭的にはかなり逼迫していたそうです。現役時代からたばこはやらず、酒もほとんど飲まない。それでも、夜の街は好きで、スナックに行けば山盛りのナッツをわしづかみにして口に放り込む。甘い炭酸飲料、スナック菓子が好きでね。節制とは無縁の生活が体に負担をかけたのでしょう」(九州の球界関係者)