DeNAドラ4福地元春 父との約束果たすべく9年「寮生活」
今年の正月、福地は父の安夫さん(49)と名護(沖縄)の自宅アパートの居間で泡盛を酌み交わしていた。
ふと、実家の話題になった。福地が中学生のころから住んでいた母の幸子さん(49)の家は最近、取り壊しになり、家族はアパートに移り住んでいた。社会人野球の三菱日立パワーシステムズ横浜に所属する福地は「家を建てるなら、少しは応援できるよ」と父を後押しした。
「新しい家でドラフトを迎えられたらいいな」
安夫さんがこう言うと、福地は「今年は今まで以上にがんばるよ」と力強く返した。
話はトントン拍子に進んだ。名護市内に土地を購入。今年2月に着工して、6月に完成。平屋建ての3LDK。約3000万円をかけた立派な“根城”に一家はこの7月から住んでいる。安夫さんは「自分が80歳になる年までローンを組んだ」と言う。
福地は父との約束通り、社会人2年目の今季、着々と力をつけ、多くのプロ球団が注目するようになった。ドラフト会議の当日、この新居に親戚ら約30人が集まり、居間でCSのテレビ中継を見守った。開始から1時間半ほどが経ち、DeNAの4位で名前が読み上げられた。