「全体練習は無意味」 仁志敏久氏がキャンプのあり方に疑問符
「いろいろと新しいものを取り入れたいんだろうけれど、みんなが同じようにやるっていうのはどうかな。個々の練習時間が長くなるだけだと思うんだけどね」
チーム関係者のひとりが吐き捨てた。
ソフトバンクの宮崎キャンプ2日目。この日はトレーニングに直径約140センチ、重さ150キロもある大型トラック用の巨大タイヤを使用。工藤監督の発案で、体幹を鍛える効果があるという。選手は順番にこれを持ち上げたり、ひっくり返したり。それが終わると今度は鉄製のハンマーで、餅つきのようにタイヤをたたいていた。
「あれ(タイヤを使ったトレーニング)は体全体を使うからね。(体の)バネとか全身運動にもなる。ダンベルやバーベルで同じような練習をすると危ないしね」とは工藤監督。アップの時間を60分から80分に増やしたのも、12分間走を取り入れたのも同監督だが、冒頭の関係者は「時間のムダだし、意味がない」とバッサリだ。
その練習自体が、意味があるかないかはともかく、全球団が2月1日から一斉にキャンプをスタート、選手に同じメニューを課すのは確かに合理的ではない。ソフトバンクのある選手もクビをかしげながらこう言った。