空席目立つのに「満員御礼」 相撲協会の“偽装”はいつから?
櫓の上に吊るされた4文字の垂れ幕。相撲ファンなら誰しも見たことのある「満員御礼」の幕だが、空席がチラホラ目につく日も「満員」というのはおかしな話。現在は客席の7割強しか埋まっていなくても満員をうたうこともあるのだから嘘っぱちにも程がある。
相撲協会がいつから満員御礼を周知するようになったかは定かではないが、明治時代に国技館が建てられた時から行っていることは確認されている。かつてはウソも誇張も一切ナシ。空席がひとつでもあれば、絶対に垂れ幕を出すことはなかった。それが変わってきたのは2000年代に入ってから。若貴ブームが去り、弟の貴乃花(現親方)が一人横綱を張っていた時代だ。
「間違いなく言えるのは北の湖親方(元横綱)が理事長に就任した02年以降です。それまでの厳格な基準をやめ、9割埋まっていれば満員御礼を出すようになった。それがしばらく続き、野球賭博が報じられた10年あたりから8割程度と徐々に緩和されてきた。その揚げ句、八百長騒動が起こった11年の9月場所では75%でも垂れ幕を出してしまった」(角界OB)