浅尾の先発転向に賛成の権藤氏 「中日のやり方」への不満語る
12年に中日の一軍投手コーチとして現場復帰した私は、着任前に浅尾拓也(30)の先発転向案をメディアに開陳した。
その時点で浅尾は2年連続70試合以上に投げ、直近4年で262試合に登板。セットアッパーとしてシーズンMVPを獲得し、抑えの岩瀬と並ぶ中日の絶対的な切り札だったが、それに甘えてこんなペースで投げ続けさせてしまえば、遅かれ早かれ潰れてしまう、という懸念があったのだ。
浅尾に水を向けると、「これまで通りで」とやんわり断られた。本人の希望を無視してまで配置転換するつもりはなかった私は「そうか、分かった」と持論を引っ込めながらも、「いずれは先発でやるということも考えよう」と言い添えた。
あれから3年、その浅尾の先発転向プランが再燃している。連休中の2日に登録抹消された際、森ヘッドコーチが「故障じゃない。本人もロングで投げてみたいと言っているし、ゆくゆくは先発という時期にきている」とコメントしたのだ。
もちろん、大賛成である。私が浅尾の配置転換を考えたのは、なにも登板過多だけが理由ではなかった。投球フォーム、投球スタイルにも不安があった。彼は182センチ、75キロという細身の体から150キロを超える直球、140キロ超のフォークボールを投げる。これは、並外れた身体能力があってこそ。特に、リリースの瞬間に上半身と下半身の力を爆発させる瞬発力のたまものである。