東京五輪はメダルなし? 「新国立競技場」に消える選手強化費
約2520億円にまで膨れ上がっている新国立競技場の建設で、財源確保が難航している。政府は、日本スポーツ振興センター(JSC)が選手強化に使う「スポーツ振興基金」の半額、約125億円を取り崩し、さらに、スポーツ振興くじ「toto」の売り上げから毎年約100億円を充てる構えだ。
「スポーツ振興基金」+「toto」だけで、800億円超の費用を賄う計算になる。それでもまだ、数百億円もの財源が不足しているという。スポーツ振興基金もtotoの収益も、スポーツ振興のために使うと決められている。なのにスポーツ振興のためのお金が、際限なく新国立の費用に充てられそうだ。
「お金の使い方が本末転倒です。本来、“スポーツ振興”のお金は、五輪選手の強化などに使われるべきです。コンクリートの建物を建てるためにあるわけじゃない。日本オリンピック委員会(JOC)は、東京五輪の金メダル数の目標を世界3位以内(20~33個)に設定していますが、これでは選手の育成にお金が回らず、『メダルゼロ』なんていう事態になりかねません」(スポーツ紙記者)