早くも続投報道 阪神・和田監督がフロントに評価される理由
球団創設80年の阪神で、過去に最も長期にわたって監督を務めたのは中村勝広現GMだ。
90~95年の実質6年間、成績は6、6、2、4、4、6位とまったくふるわなかった。当時の久万オーナーは「采配はスカタンやな」と、その手腕をコキおろしながら、しかし、「調整能力がある」と言った。
阪神には当時、OBやフロントや現場にひと癖もふた癖もある人たちがいた。いつまでも「ダメ虎」のままじゃアカンやろと、ときに少数派が声を上げた。あるときは球団幹部を通じて、あるときは久万オーナーに直接だ。
親会社の阪神電鉄はそもそも安全第一、冒険を嫌う企業といわれる。オーナーをはじめとする電鉄上層部や球団幹部にとって、現状にあれこれクチを挟む人たちは煙たいことこの上ない。
中村監督はそういった周辺の雑音に目くじらを立てず、うまくさばきながら指揮を執った。親会社やフロントの意向に決して逆らわず内部に波風を立てない指揮官だった点が評価された。
そんな中村監督をだれよりも慕っていたのが当時、暗黒時代のチームの主力を担った和田豊監督だった。