“4番の重圧”はね返し決勝打 ソフトB内川の天才的打撃センス
「最初のバッター(上林)が振り逃げで出塁したんで、何か起こるなと思いましたね。でも、まさか僕まで回ってくるとは……」
こう言って笑顔を見せたのが、サヨナラヒットを打ったソフトバンクの内川聖一(33)だ。延長十回、1死満塁の場面で殊勲の右前打。試合が決まった瞬間はナインにもみくちゃにされながら、相好を崩した。
今季は工藤監督の肝いりで4番に抜擢。ところが、責任感が強いがゆえに重圧も人一倍だったようで、メディアのインタビューでは、「引き出しも増えた分、余計に悩んでいる。去年はどうやって打ってたっけ? と思う時もある」と心情を吐露していた。
打率・284で右打者として前人未到の8年連続3割を逃すと、自身最多の24併殺は両リーグ通じて今季最多。ファンからも「4番から外せ!」と非難を浴びた。
そんな内川を助けたのが、自身の天才的な打撃センスだ。ロッテバッテリーは内川に対して外角一辺倒。最後の1球もボールになる変化球だったが、振るというよりバットを合わせて右翼前にポトリと落とす技アリの一打だった。
これで1勝のアドバンテージを含めて2勝としたソフトバンク。日本シリーズが近づいてきた。