混迷する巨人監督人事 “本命”由伸現役続行希望で泥沼の様相
原辰徳監督(57)が辞任の意向を示した巨人の次期監督候補には、現時点で3人の名前が挙がっている。外部からの招聘でOBの江川卓(60)、内部昇格で川相昌弘ヘッドコーチ(51)、そして今季も代打の切り札として結果を残した高橋由伸(40)を抜擢する案だ。
このうち、読売首脳や球団幹部が「理想」と考えているのが、高橋由の就任である。
桃井球団会長に辞意を伝えた原監督が「巨人には新陳代謝が必要」と言ったように、計12年に及んだ原政権でチームにはマンネリ感が生じていた。いくら笛を吹けども、選手が踊らない。中軸打者への犠打、打順の乱高下……日頃の采配、起用に対する選手の不満は大きくなり、特に野手には指揮官から気持ちが離れた選手も少なくなかった。歴史的なここ2年の「貧打」は、技術の問題だけでなく、原長期政権が招いた弊害でもあった。
「失いかけたベンチと選手の信頼関係を取り戻すのにも、『高橋由監督』は適任です。下手に年の離れた監督、コーチよりベテラン選手の方がはるかに選手には睨みが利くもの。打撃不振の村田が高橋由兼任コーチの門を叩いてすがったように、人望もある。経験不足という不安はあるものの、チームに蔓延する閉塞感を打破し、野球賭博で傷ついた巨人のイメージを回復するにはフレッシュな高橋由はうってつけ。人気面も含めて、球団が『理想』とするのは当然です。問題は本人の意向です」(球団関係者)