金本監督誕生のカギか 囁かれる阪神球団社長の“口説き文句”
ファンをヤキモキさせながら「難産」の末に誕生した阪神の金本新監督(47)。当初は「指導経験はないし、荷が重すぎる」と言って尻込みしていた。就任のカギとなったのが、南信男球団社長(60)の退任と見る向きもある。
阪神の監督は、04年の岡田彰布氏から真弓明信氏(09~11年)、和田前監督(12~15年)まで、いわゆる85年の日本一メンバーが引き継いできた。それは、07年に現職に就いた南球団社長の強い意向でもあったのだが、一方で南社長の独裁によりフロント機能は著しく低下した。
「星野監督時代に大きく変わったフロントは、イエスマンばかりが集まった典型的なダメ組織に戻った。05年から優勝がないのは、特にスカウト、育成部門に大きな問題があったからだ」と、OBは言う。
南体制では、助っ人やFA補強頼みのチームはいつになっても変わらない。「だから、金本や赤星などは、これまでコーチ就任の要請を受けても固辞していた」ともっぱらだった。
「南さんは就任中、何度も惜しいところで優勝を逃してきた。その責任も感じているし、60歳という節目の年でもある。先月には自分が連れてきた中村GMが急死したこともかなりショックだったようです。金本と交渉中には『チームのムードを変える必要がある』と語ったが、あれは本音でしょう。南さんは、なかなかクビを縦に振らない金本に対し『私が辞めるから、監督になってくれ』という殺し文句でイエスと言わせたのではないか。南さんが辞めて、フロント改革を強く求める金本が監督になれば、下柳や矢野、今岡、赤星など、引退や移籍直前に冷遇された03、05年の優勝メンバーも入閣要請があれば応じるはず。高代はヘッドで、平田は守備走塁担当コーチでチームに残るが、赤星や矢野が入ればチームの雰囲気はガラリと変わる」(前出のOB)