米スカウトの前で大暴れ 中田翔ヤル気満々の裏に壮大な野望
勢いが止まらない。
台湾で「プレミア12」を戦う侍ジャパンは12日、前回のWBCで優勝したドミニカ共和国と対戦。前日11日のメキシコ戦で5打点を挙げた中田翔(26=日本ハム)が、前夜のサヨナラ打に続く勝ち越し打で、チームを3連勝に導いた。
同点に追いつかれた直後の八回2死二、三塁。引っ張った痛烈な打球は三塁線を鋭く抜けた。2者が生還する勝ち越し二塁打。四回1死一、二塁でも中前適時打を放った中田はこの日も3打点の活躍だった。
小久保監督は「昨日、今日と打線は中田サマサマ。彼に救われた」と脱帽。中田は「同点に追いつかれてソワソワしているところ。投手のためにも1点でもいいからと思っていた」と珍しく殊勝だった。
ドミニカ共和国は大物メジャーリーガーをズラリと並べたWBC時とは違い、今回はマイナーやアマチュア選手が混在する格落ちチーム。勝って当然の相手とはいえ、中田の打棒とヤル気には目を見張るものがある。ある日本ハムOBがこう言った。
「中田は酒を飲んで酔っ払うと、『そのうちメジャーに行って阪神で現役を終えるのが夢なんや』と言うのが口癖。選手に聞いたところ、メジャーのことを口にする際、『腕試し』とか『雰囲気を味わいに』という表現をよく使う。いかにも中田らしいのは、メジャーに骨をうずめる気は全くないということ。メジャーに行った後の方が問題で、2年くらいで米国から戻り、その後は関西で野球人生を全うしたいと。広島で生まれ、大阪で高校時代を過ごした男。甲子園だけは特別なんだそうです」