なぜ男は「絶対王者」羽生結弦が嫌いなのか
ありったけの言葉を継いで、懸命に笑顔を作る飾り屋(昔ゃナルシシストとか横文字を使ったもんだが、今じゃこっ恥ずかしくてまともに使えねえほど無縁になったさ)。
極めつきは夜のスポーツ番組だ。先輩の織田信成に「敵は自分です」と言った後に、「敵は本能寺じゃありませんよ」と付け足し、一重の目を細くして口を曲げてニタッと笑った時。
織田は屈託なく大笑いしたが、先輩の先祖が惨殺された事件を冗談で持ち出してニタッと笑ったのが21歳の「絶対王者」だ。少々不気味だったぞ。
ネットに氾濫する羽生結弦に対する嫌悪のほとんどは男から。なぜか? 男なんちゅうものはね。完璧に完璧を演じて完璧だろどうだ! と言い放つ男が嫌いなんだよ。てめえは完璧にゃほど遠く、だらしないから、ヒーローは少々間が抜けてたほうが親近感が湧く。昔長嶋、今柳田。
羽生結弦は完璧を実演し、自分を言葉で飾り付け、足も長いし顔も小せえ。そのうえ、まだ先があるから、さらにそれに磨きがかかろう。「きゃ~結弦いのち~~っ!」とか、短足で顔の大きい日本の男は妬いておるのだよ。存外熊のプーさんのぬいぐるみに囲まれて夢見たりしておるんだ。幼児返りするくせに、絶対王者だぞ~とかコキやがるんだ。子どもの力み返りに大の男が嫉妬してもしゃんめえよ、許したれや。
絶対王者なんざ、裏を返しゃ裸の王様だ。ま、今から足を長くしようとストレッチとか始めても夜中に足がつるだけだ。よしとけよオッサンども。