ラグビー界の“至宝”五郎丸 「社会人1年目」はワルだった
今や日本ラグビー界の広告塔として大活躍の五郎丸歩(29)も、早大から社会人入りした当時は「危ない選手」だった。
例えば、08年9月13日の三洋戦で故意に足を出して厳重注意処分を受けていながら、同月23日の近鉄戦でも再びプレー中に足を出して相手を転倒させた。
事態を重く見たラグビー協会は規律委員会を開き、この試合の五郎丸の「マン・オブ・ザ・マッチ」を取り消し、さらに6週間の出場停止という重い処分を科した。
社会人チームの関係者が言う。
「今の五郎丸はミスターラグビーのようにもてはやされているが、あの頃は今とは別人。荒っぽく危険な選手でした。故意に足を出すということは相手にケガをさせるためにやっているわけですからとんでもない話です。正直、多くの選手に嫌われていましたね。人間が変わったのは2010年ぐらい。前年に、ヤマハ(発動機)は業績不振によりチームの強化縮小を発表。多くの選手がチームを去り、五郎丸もプロ契約から社員になった。苦しいチームを支えるスタッフやサポーターたちを見て、自分が勘違いしていたことに気がついたのでしょう。早大の時からスター扱いされてきた自分を、『あれはワセダ病』と言って反省していましたからね」
ワルのままならW杯の舞台に立つこともなかっただろう。