4紙で60億円負担 大手新聞が東京五輪公式スポンサーの異常
22日の朝刊を見て、違和感を持った読者も多かったのではないか。
朝日、日経、毎日、読売の大手4紙がいずれも1面で、20年東京五輪の公式スポンサーになったことを“報告”。同日午前、組織委員会からもこの4紙と大会スポンサーの「オフィシャルパートナー」として契約したことが発表されたのだ。
日経は〈大会の安定的な運営と日本代表の活躍を全面的に支援していきます〉と臆面もなく応援団を買って出たことを宣言。朝日と読売の記事にはそれぞれ、〈新聞社として、報道の面では公正な視点を貫きます〉〈契約後も、報道機関として読者や社会の信頼に応える公正な報道を続ける姿勢は堅持します〉ともっともらしい文言が付け足してあったが、どうにも違和感が拭えない。
五輪に詳しいスポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言うのだ。
「違和感どころか、異常な事態です。権力を監視すべきジャーナリズムが国や行政と手を携えて一緒に五輪というイベントを盛り上げる。これは恐ろしいことですよ。すでに莫大な放映権料を払うテレビは五輪応援団と化し、ジャーナリズムの役割を放棄している。せめて活字メディアだけはと淡い期待もあったが、大手4紙が率先して権力の側についた。莫大なスポンサー料を払う以上、その投資を回収し、利益を上げることが最優先されるに決まっています。朝日や読売が『公正な視点』『公正な報道』と書いてるが、ぬけぬけとよく言うよ、です。笑わせるなと言いたい。今後、五輪に関しては国民には見えない、しかし、知らなければいけない不都合な情報や問題が隠され、報道されないという事態が現実味を増す。そんな疑念を持たれると自覚しているから、言い訳するのでしょう。だったら、スポンサーになどならなければいいんです」