“独裁者”渡辺恒雄最高顧問の辞任で巨人は変われるのか
8日夜、東京都内の読売新聞本社で記者会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたことを明らかにした巨人軍。渡辺恒雄最高顧問(89)ら首脳3人の引責辞任を発表した巨人の久保球団社長(66)は、消え入りそうな声でこう言った。
「首脳が責任を取って辞任することをもって、開幕する公式戦には参加させていただきたい」
球界に対する信頼を再び失墜させた巨人の首脳3人の「首」にどれほどの重さがあるのかは分からないが、汚れた盟主にはさっそく、「ペナントレースを辞退しろ」「公式戦を戦う資格があるのか」とファンからの厳しい声が相次いでいる。
渡辺最高顧問以下の辞任には、今後さらに高まるであろう、そうした多方面からの批判をかわす狙いがあるのは間違いない。その強大な影響力をもって、巨人と球界をミスリードしてきたとの悪評が少なくない渡辺最高顧問が、これで野球の世界の一線から退くというのなら、辞任を歓迎する向きもあるだろう。
「いや、なにも変わりませんよ。04年の一場事件がいい例です。ドラフト候補の大学生に栄養費と称した裏金を渡していたあの一件でも当時のオーナー職を辞任した。それでも、同じ年に前後して起きた球界再編騒動では当然のように暗躍した。少なくとも巨人内部のことに関しては、代表取締役会長として巨大メディア読売グループのトップに君臨する限り、球団の肩書などあってもなくても一緒です。監督人事も大きな補強も、親会社のドンである渡辺会長の決裁なくしてはなにも決まらないことは、反旗を翻した巨人の清武元代表が暴露している」(日本テレビ関係者)
その清武元代表は渡辺会長に「オレは最後の独裁者だ」と言い放たれたとし、渡辺会長本人も06年の雑誌の対談で「いまも権力を保っているのはカストロ、そして渡辺恒雄だけなんだ」と堂々と語っている。
独裁者はそう簡単に潰れはしない。