4度の挑戦で弁護士に 元G大阪選手が乗り越えた挫折と屈辱
努力は必ず報われる――。この言葉を胸にサッカー選手から弁護士に転身した異色の元Jリーガーがいる。現在、大阪の摂津総合法律事務所に勤務する八十(やそ)祐治さん(46)である。
Jリーグ元年の1993年に神戸大からG大阪に入団。1年目からMFとしてプレーし、今も現役を続ける三浦和良(当時ヴェルディ川崎所属、現横浜FC)と対戦した経験もある。
そんな八十さんが法曹界を目指し始めたのは00年12月。当時JFL所属の横河電機で現役引退した直後のことだった。
「G大阪を2年でクビになった後は複数のJクラブを渡り歩き、最後に横河にお世話になったのですが、入社当時から一部社員から『お前はサッカー入社。サッカーしかしてない』と悪口を言われましてね。サッカーをしている時は雑音も我慢できましたが、現役を終えて関連会社に勤めることになると、『自分はこのままでいいのか』と思い始めました。それに大学卒業後のプロを含めた8年間は力を出せずモヤモヤとした悔しい時間でした。そんな気持ちもあったので、仕事をしながら日本で一番難しい司法試験に合格して、周囲を見返そうと思ったわけです」