風で歩数乱れ平凡タイム 桐生祥秀100m9秒台に“一歩”の壁
「今日は日本新が出る自信はあった。記録が出てもおかしくはなかった」
東洋大の土江短距離コーチは悔しさを隠さなかった。100メートルで日本人初の9秒台を狙う桐生祥秀(20)についてである。
20日の関東学生陸上選手権男子100メートル決勝では格の違いを見せつけて優勝しながら、タイムは10秒35と平凡。今大会は選考対象レースではないものの、日本陸連が定めたリオ五輪の参加標準記録(10秒16)にさえ届かなかった。
レース後の桐生は「自己ベストが出せなかったのは残念。途中から突風が吹いてきつかった」としながらも「日本選手権では1番になって五輪では日の丸を背負って決勝の舞台で勝負したい」と前向きに話した。
13年の織田記念陸上で日本歴代2位となる10秒01をマーク。日本人初の9秒台を期待されてから3年。昨季は故障もあって走ることさえできない時期もあったが、五輪イヤーの今季はいよいよ10秒を切る可能性が出てきたという。
陸上取材歴が長いスポーツライターの高野祐太氏がこう解説する。