巨人に初完投初完封 阪神・岩貞祐太こそ“超変革”の申し子
まさか、まさかの完封劇だった。
阪神の岩貞祐太(24)が27日の巨人戦に登板。9回3安打無失点でプロ初完投を初完封で飾り、今季4勝目(2敗)を挙げた。巨人は5連敗中だったが、先発は防御率トップの菅野だ。両軍とも打撃が低調のため、1、2点勝負になることは想像できても、こんな終幕になると、誰が予想しただろう。
これで岩貞の防御率も0.88(リーグ2位)となり、奪三振も最多の菅野に3差(70個)の同2位。プロ通算2勝だった3年目左腕の大化けをライバル球団のスコアラーはこう見ている。
「今年は上体と下半身のバランスがよくなり、軸が安定しているので踏み出した右足に体重がしっかり乗り制球がよくなった。胸を張り、遅れて出てくる腕もよく振れている。球威もキレも増した。ストレートが走りチェンジアップが生きるので三振も取れる。パの打者も対戦経験がないので、交流戦でもいい投球をするのではないか」
昨年は台湾のウインターリーグに参加。5試合で17回を投げ2勝。防御率0.53、奪三振27で投手のMVPを獲得。大きな自信になった。
「初回に援護点をもらったので、この点を守りきれば勝てると思って投げました。気持ちいい。鳥肌が立った」と言う岩貞に金本監督は「東京ドームは狭いんで、最後の一本が怖かった。素晴らしいピッチング。参りました(笑い)」とご満悦。今季ブレークした岩貞こそ、「超変革」の申し子だ。