育成選手を“起爆剤”に? 巨人ガルシア緊急昇格の狙い
巨人が「秘密兵器」を呼んだ。キューバから5月23日に来日したばかりのホセ・ガルシア外野手(23)が16日、一軍に昇格。1点ビハインドの五回2死満塁で代打として登場したが、空振り三振に倒れた。
二軍戦10試合で打率.325と好調だが、貧打の起爆剤として期待――というだけではない。そもそも育成目的で獲得した選手。国内リーグで昨季は最多安打、今季は最多打点のタイトルを獲得したとはいえ、堤GMは「パワーがあってスピードも抜けている。身体能力の高さを生かしたプレーで細かい技術を学んでもらい、一軍の戦力に育てたい」と話していた。それが、来日1カ月も経たず、事情が変わったのである。
巨人の外国人選手は、育成を含めれば13人も在籍。にもかかわらず、前日まで一軍にはギャレットとマシソンの2人しかいなかった。対外的な秘密兵器としてより、「内部に向けた昇格でもある」とチーム関係者がこう言う。
「故障離脱しているクルーズが、セカンドオピニオンといって帰国中。もともと球団は『外国人枠も競争』とハッパをかけていたのに、二軍でマイコラスやポレダといった主力助っ人たちが、チンタラやっていても、一軍枠はいつでも空いているとナメられる。すでにそういうフシがある。だから多少無理してでもガルシアを昇格させ、他の助っ人たちに危機感を持たせたいのです」