首の皮一枚で2敗目阻止…大関・稀勢の里に北の富士が苦言
これが横綱を目指す力士の相撲か。
今場所、大関稀勢の里(30)の昇進条件は「最低でも14勝1敗以上での優勝」。それが5日目に栃煌山に敗れ、早くも4勝1敗。もう後がなくなった稀勢の里、すっかり弱気になったのか、6日目の妙義龍(29)戦でもブザマな相撲を見せた。
立ち合いでまわしを取れなかっただけで万策尽き、終始防戦一方。土俵際で何とか突き落とすも、行司軍配は妙義龍に上がった。ここで物言いがつき、「行司差し違え」という首の皮一枚で2敗目は阻止したのだ。
しかし、内容だけを見れば稀勢の里の完敗。中継を解説していた北の富士(元横綱)も、「拾ったような一番。相撲内容は完全に負けていた」と苦言を呈した。さらに北の富士は綱取りを盛り上げたいアナウンサーが「昨日敗れてうまく……」と言いかけるのを遮り、「そんな消極的な気持ちで土俵に上がったら、今場所うまくいかないよ」と一喝だ。
かつて稀勢の里は「重圧に弱い」などと欠点を指摘されていた。それが1月場所の後半あたりから改善され、落ち着いた相撲が取れるようになったと思ったらこれだ。