東京「若手が頑張る」 レスリング吉田沙保里が現役引退へ
「霊長類最強女子」の衝撃の敗戦から一夜明けた19日、リオ五輪に出場した日本女子レスリング陣が現地で会見。4連覇を逃して銀メダルに終わった53キロ級の吉田沙保里(33)は、「たくさん泣いて心配をかけてしまいましたが、今はスッキリしています」と笑顔も見せた。
しかし、20年東京五輪への思いを聞かれると、「できれば目指したいけど、ゆっくり考えたい」と明言を避け、「これからは(金メダルを獲得した)この若い3人(登坂=22、土性=21、川井=21)が東京を目指して頑張ってくれる」と自らは第一線から退くことを示唆する発言もした。
関係者によれば、「今五輪での4連覇を花道に引退する意思を固めていた」という。4連覇の夢が破れ、現役続行でリベンジする可能性も残されているが、33歳という年齢からくる衰えに直面しているのも事実。今年に入ってからこの五輪まで一度も試合に出なかったのも、心身の疲労を考慮してのことだった。
昨年12月に所属していたALSOKを突然退社し、フリーになってマネジメント会社と契約。テレビやイベントへの出演を増やし、タレント活動への関心も高めている。
世代交代を推し進めるレスリング協会と女子代表を率いる栄チームリーダーは、吉田と伊調馨(32)を来年の世界選手権に派遣しない方針を固めている事情もある。
霊長類最強女子はこのままマットを去る可能性が高い。