兄貴から指導者へ 松田丈志が見据える競泳代表HCのイス
「今は本当にすっきりしていて、一点の悔いもない」――。
競泳男子200メートルバタフライの銅メダリスト(北京、ロンドン)松田丈志(32)が昨12日、都内で引退会見を開き、現役生活をこう振り返った。
12年ロンドン大会では400メートルメドレーリレーの一員として銀メダルを獲得。平泳ぎの北島康介が同大会の個人種目ではメダルなしに終わっていたことから「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」との名セリフで男を上げた。リオでは800メートルフリーリレーでチームの精神的な柱として52年ぶりの表彰台となる3位に導いた。
松田は今後について「リオでは若手と一緒にトレーニングして結果を出す喜びを味わった。選手を育てていくのに少し近いものを味わった」と指導者への転身に意欲を見せた。
当面は現在、在籍する鹿屋体育大学大学院での研究を優先するというが、松田の指導力、統率力を競泳界が放っておくはずがない。近い将来は日本代表のヘッドコーチとしてメダリストの育成に手腕を発揮するとみる競泳関係者は少なくない。