広島王手に貢献 「1番田中」誕生秘話を石井コーチ明かす
2試合連続の大暴れだ。
13日のCSファイナルステージ第2戦、広島の田中広輔(27)が3度出塁して3得点。八回にはダメ押しの本塁打を放った。初戦は全4打席に出塁して2得点。リードオフマンの働きが連勝を呼び込み日本シリーズ進出に王手をかけた。
昨季の田中は主に下位を打っていた。1番に抜擢された今季は全143試合に出場し、打率.265、13本塁打、39打点。102得点はヤクルトの山田と並ぶリーグトップで、94四死球はリーグ2位タイ(死球17)。出塁率は同10位の.367で、リーグ一の破壊力を誇る打線の斬り込み隊長となった。
広島の石井琢朗打撃コーチはこう言う。
「ショートを守りながら1番を打つため、肉体的にキツい部分があったと思うし、打席での戸惑いもあったでしょう。ただ、彼には『得点にこだわってみろ』という話をした。これは(現役時代に田中と同じ1番・遊撃を担った)僕自身もそうでした。とにかく出塁して走って、ホームを踏むことにこだわった。『自分で本塁にかえれる1番打者』を目指して欲しかった。彼は打率は・265ですが、出塁率は打率より約1割高い。走塁も含め、そうした積み重ねが多くの得点につながったと思います」