大きかった李大浩の穴 工藤SB“つなぎ4番”内川を生かせず
思った以上に主砲の移籍は大きかった。
後半戦の失速で、3連覇を逃したソフトバンク。昨季4番を打っていた李大浩(現マリナーズ)が抜けながら、開幕前は評論家の多くが「それでも優勝は揺るぎない」と口を揃えていた。
それがこの体たらく。孫オーナーも17日、「李大浩の穴を埋められなかった」と嘆き、更なる補強と育成を編成部に厳命した。
しかし、代わりに4番として141試合に出場した内川は、両リーグで首位打者を獲得した経験もある巧打者。今季は18本塁打、4年連続2ケタ本塁打と長打力もある。05年のロッテはサブローを「つなぎの4番」に置き、日本一を勝ち取った。なぜ、ソフトバンクでは機能しなかったのか。
「問題はつなぎの4番の使い方でしょう」とは、あるロッテOBだ。
「内川にその適性がないとは言わない。重要なのはベンチワークですよ。当時のロッテはデータ野球を徹底させていた。バレンタイン監督はロブソン打撃コーチ、ランペン内野守備走塁コーチという腹心を従え、『長打がなくても勝てる作戦』を熟考。さらにポール・プポという統計アナリストを雇い、ライバル球団のあらゆるデータを分析。相手を丸裸にしていた。当時のロッテは『このケースだと打球をどこに転がせばいいか』など、常にベンチから細かい指示が飛んでいた」