山口取られたベイが地団駄 巨人&楽天の“怪しいトレード”
4日にまとまった巨人と楽天のトレードに、球界関係者が「DeNAが『やり方がせこ過ぎる』と怒っているんじゃないか」と言っている。せこい、かどうかはともかく、バランスの悪いトレード、という印象があるのは確かだろう。
巨人が放出した小山雄輝(28)は、入団7年で55試合の一軍登板の実績を持つ右腕投手。今季は9試合の登板にとどまったが、14年には6勝(2敗、防御率2.41)を挙げて、チームの3連覇に貢献した。150キロ前後の直球と落差の大きいフォークを持ち、他球団から毎年のようにトレードの申し込みがあった。
年俸2800万円のそんな小山と引き換えに巨人が楽天から取った柿沢貴裕(22)は、今年の7月に支配下に再登録されたばかりの元育成選手。高卒入団4年目で一軍出場経験はなく、二軍でも通算打率・248、9本塁打という数字しか残していない。巨人関係者は「将来性に期待しての獲得」と言うものの、柿沢は昨年の二軍戦で21失策を記録するなど、現時点ではまだ将来性があるかどうかも判然としない、年俸550万円の駆け出し内野手である。
「これに、地団駄を踏んでいるDeNA関係者がいるんだ。要するに、DeNAからFAで山口俊を取った巨人が、その人的補償で小山を取られるのを嫌って、楽天に放出したんだろう、というわけ。確かに、小山は人的補償の対象にならない28人のプロテクトリストから外れる可能性が高く、DeNAが計算できる投手として獲得を狙っていた。同一リーグのDeNAに持って行かれて活躍されるくらいなら、という巨人のリスクヘッジは当然、策としてはあり得るからね」(冒頭の球界関係者)
相次ぐ大補強を行う巨人は、V奪回のためにはなんでもするという様相だけに、さもありなん、という話ではある。