10人退団で消滅危機…なでしこ岡山湯郷に何があった?
なでしこリーグ1部の岡山湯郷が「選手10人の退団」を発表した。
シーズン中から退団者が相次ぎ、これで岡山湯郷の公式サイトに載っている選手はたったの「7人」。今季1部で最下位に低迷し、来季は2部で戦う岡山湯郷だが、もはやチームの体をなしているとはいえず、チーム消滅の危機に瀕している。
兆候はあった。なでしこジャパンのMF宮間あや(31)ら4選手が7月に「退団したい」と意思表明。結城治男監督との不仲説が浮上した。8月10日に宮間以外の3選手が退団。宮間は残留することになったが、契約が満了した11月5日の1週間後、チームから退団が発表された。そして今回の選手10人の退団という未曽有のドタバタ劇。一体、何があったのか?
「宮間が01年に岡山湯郷入りを決めたのは、小学校時代から知り合いだった本田美登里(現なでしこ1部・長野監督)が指揮を執っていたから。本田監督が11年1月に岡山湯郷を辞めた後はズバぬけた戦術眼を持っている宮間が、実質上の監督として選手起用、チーム戦術を決めていた。本田監督以降の歴代の監督たちは《なでしこジャパンの主軸にして影響力絶大》の宮間の言うことに口を挟めなかった。今年6月に甲府、横浜Mのコーチなどを歴任した結城治男コーチが監督に昇格した後、宮間主導のチームづくりを否定して『オレに従ってもらう』と宣言したことで宮間ら一部主力選手が猛反発。監督も感情的になってパワハラ的な言葉を投げつけ、関係修復は絶望的になってしまった。結局、結城監督は7月下旬に退任することになったが、事態収拾を図れなかったクラブ幹部に対する不信感がチーム内に漂い、それが今回の選手10人の退団―残留7人という非常事態となった」(サッカー記者)
宮間は、退団に際して「岡山湯郷ベルは私の人生そのものでした」とコメントした。そこまで思い入れの強い岡山湯郷を退団する理由として「女性としての人格を否定するような言動に大ショックを受けた」と一部でささやかれている。いずれにしても岡山湯郷、絶体絶命のピンチである。