連合稽古より若手育成 稀勢の里に課せられる横綱の“義務”
昇進してもマイペース調整は変わらず、だ。
横綱稀勢の里(30)は2日、四股を中心に約1時間の稽古。土俵に上がって稽古するのは、5日に行われる「日本大相撲トーナメント」後だという。
稀勢の里は以前から出稽古に行かず、二所ノ関一門の連合稽古でも琴奨菊や嘉風ら、決まった相手としか稽古をしなかった。これには一門の重鎮、芝田山親方(元横綱大乃国)も、「若手にどんどん胸を出してほしい」と苦言。横綱は後進を育てるのも義務のひとつだ。果たして稀勢の里は変わるのか。
ベテラン相撲記者が言う。
「出稽古に関しては、このままでいい。横綱ともなれば、黙っていても相手の方から来てくれますからね。少し前だと千代の富士、最近では朝青龍や白鵬は頻繁に出稽古に行っていたが、あれは歴代横綱の中でも異例。稀勢の里は礼儀を知っているので、ケガなどがない限り、出稽古に来た力士にはきちんと対応しますよ」
一方、連合稽古はこのままでは困る。いつもの顔ぶれとばかり稽古をすれば、若手はほったらかし。せっかく横綱に胸を借りる機会なのに、それが出来なければ連合稽古の意味がない。