ラミレス監督がっかり…道のり険しいDeNAの“100犠打目標”
第2クール初日、異変が起きた。開幕投手に指名されている左腕の石田健大(23)が、予定されていた打撃投手の登板を回避したのだ。
ケガを心配する関係者もいたものの、石田は「今日は自分からやめさせてもらった。上半身、下半身のバランスがよくなかった。打者相手だと力感が変わる。フォームがぐちゃぐちゃにならないように、ブルペンで考えながら投げた方がいいと思った」と言えば、ラミレス監督も「体は心配ない。予定通り13日の阪神戦に投げる」と説明。キャンプ序盤の多少の足踏み程度なら何の問題もないだろうが、むしろラミレス監督が心配だったのは野手のバント下手ではなかったか。
この日、今キャンプで初めて犠打のケース打撃が行われた。走者一塁、走者一、二塁で味方投手が入っての本格的な練習だったが、犠打を打ち上げたり、三塁前に強い打球を転がしたりで約3分の1が失敗という体たらく。ヤクルトから移籍したバントの名手・田中浩が一発で投前に見事なバントを決めると、球場がどよめいたほどだった。
昨年から犠打の重要性を訴えてきたラミレス監督は、19年ぶりの優勝に向けて今季80勝を目標に設定(昨季は69勝71敗で3位)。「細かいところを徹底すればたどりつく」と、100犠打到達を厳命している。昨季はエンドラン、バスターを多用した一方、バントをファウルして追い込まれるケースが少なくなかった。リーグワーストの犠打数81という数字以上に課題といえるのが、12球団ワーストの犠打成功率・712の改善だ(トップは日本ハムの.952)。
バントの重要性を訴えるラミレス監督は、「若手はちょっとミスがあった。基本練習はシーズンではできない」と技術向上を求めたが、確実性アップにはまだまだ時間がかかりそうだ。