自民党改憲草案「集中講義」補講
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<第8回>国会決議もなく対「イスラム国」参戦は理解できない
誰でも知っているように、自民党の党是である「憲法改正」の中心的課題は9条の改正である。それをかつてよく用いられたスローガンで示すと、「普通の国になる」ことである。 その「普通の国家」とは、独…
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<第7回>自民党は「基本的人権」の本質をなぜ避ける?
現行憲法の第97条は次のように規定している。 「この憲法が日本国民に保障する『基本的人権』は『人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在および…
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<第6回>「拷問・残虐刑」が許される場合などあるわけがない
現行憲法の第36条は「公務員による拷問および残虐な刑罰は、『絶対に』これを禁ずる」と規定している。 それに対して、自民党の改憲案の第36条は単に「公務員による拷問および残虐な刑罰は、禁止する…
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<第5回>「環境権」を規定し自画自賛することのおかしさ
自民党は、その改憲草案の解説書の中で、「新しい人権」について次のように記述している。 《時代の変化に対応するため、国民の権利保障を一層充実していく》《憲法に規定を設けることで、法律(の)改正だ…
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<第4回>自民党は「人権」の本質を理解していない
現行憲法の第19条は、「思想および良心の自由は、これを侵してはならない」と規定している。この「侵してはならない」という文言は、これが憲法である以上、当然、国家権力に対する命令である。 欧米の…
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<第3回>国民が防衛に協力すべきだというのは誤解である
自民党の改憲草案は、第9条の3という条文を新設し、「国は……国民と協力して、領土、領海および領空を保全し……なければならない」と規定している。これも、一見当たり前な話に見える。私たち日本「国民」が平…
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<第2回>国旗・国歌に対する礼儀を法で強制するのは誤り
自民党の改憲草案は、第3条の第2項を新設して、「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」と規定している。これも、一見まともな話に見える。現に、中国人や韓国人が日の丸を焼いている場面をニュー…
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<第1回>国民の反対が少ない項目から議論を始める間違い
私は本紙で13回にわたり自民党改憲草案の問題点を解説した。その結果、自民党は、そもそも憲法が何であるかを理解せず、主権者国民大衆が権力者を統制する法である憲法を使って、逆に、国民をしつけようとする、…