「拝啓 孫正義様」 東京・山谷からの手紙
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<第5回>「2020年東京五輪までに日本を福祉国家にしてみませんか?」
銀座や日本橋から山谷に車を走らせると、観光客でにぎわう浅草、雷門、言問橋とは目と鼻の先なのが分かる。明るく、華やいだ街並みが、泪橋の交差点に差し掛かると、途端に閑散として、うらぶれた雰囲気に変わる。…
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<第4回>「マザー・テレサの『死を待つ人の家』を東京につくりませんか?」
「もともと僕は絵に描いたような哲学青年でした。『人生は不可解なり』って華厳の滝に身を投げた藤村操さんという明治時代の学生さんのような」 東京・山谷のドヤ街を歩き、顔見知りのホームレスと挨拶を交…
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<第3回>ホームレスの看取りに年間3650万円。きぼうはありますか?
東京・山谷は泪橋の交差点から程近いドヤ街の一角、元ホームレスら行き場のない高齢者のホスピス「きぼうのいえ」の1階奥の事務所で、施設長の山本雅基(52)がパソコンに向かってごにょごにょ言っている。山谷…
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<第2回>老後に3000万円も必要な社会 おかしくないですか?
「宵の口から雑談を交わし、隣でいびきをかいていたと思った仲間が、気がついたら動かない。するとパトカーと無機質な白いワゴンが到着して、ワゴンからブルーシートを引き出した。それで仲間を無造作にくるんで、運…
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<第1回>日本のスラム街を、福祉タウンにしませんか?
「孫 正義様、個人への支援陳情書」とのタイトルで、今年1月、ソフトバンクグループ代表の孫正義(58)に手紙が送られた。差出人の山本雅基(52)は、東京・山谷で日本で唯一のホームレスのホスピス施設「きぼ…