改憲論 ペテンを暴く
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部下に侮られ…文民統制に失敗した防衛大臣は辞任すべし
わが国の行政組織の中で防衛省は特異な機関である。それは、わが国の独立を守る役割を担っているため、他国の軍隊に対抗できる強大な武力を独占する組織である。だから、歴史的には、かつて諸国では軍隊が支持する…
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安倍政権は反知性主義どころでなく法治を否定した“人治”
かつて、憲法9条の下では、軍隊の保持と交戦権の行使(つまり国際法上の戦争の手段)が禁じられているので海外派兵はできない……とまっとうなことを言っていた政府が、豹変して、「集団的自衛権の行使(海外派兵…
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あらためて言う 「教育勅語」など反面教師でしかない
大日本帝国憲法の特色は「天皇主権」「人権の不存在」「軍国主義」であった。つまり、天皇が全権力を掌握し、国民は天皇が許す範囲内での自由しか与えられておらず、軍隊は民主的な統制を受けておらず、それが軍国…
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首相夫人は社会的な影響力のある「準公人」である
野党議員からの質問主意書に対する答弁書で、政府は、首相夫人は「公人ではなく私人である」として、首相夫人とは「一般的に用いられる呼称で……公務員としての発令を要するものではない」と説明している。また、…
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歴史を反省 「教育勅語」を学校教育に導入するのは違憲だ
今、学校で教師から「国に危機が迫ったら、国のために力を尽くし、皇室の運命を支えなさい」と言われたら、ほとんどの人は違和感を覚えるはずだ。これは、教育勅語(1890年)が掲げる12の徳目の結びである。…
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生前退位 「一代限りの特例法」には違憲性の疑いがある
今上天皇陛下のお気持ちにかなった生前退位(譲位)を認めて差し上げることに賛成する世論は、いかなる調査の結果でも90%近い。だから、政治にとってその方向性は変えようがないとしても、なぜか、今回の退位を…
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天皇の「生前退位」 有識者会議による論点整理の不当性
1月23日に有識者会議が、今上天皇陛下一代限りの退位特例法の制定を支持する論点整理を公表した。大要、次のとおりである。 ①将来の皇室の年齢構成、政治社会情勢、国民の意識等、天皇を取り巻く状況は…
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共謀罪が必要な「テロ対策」3事例は現行法で対応可能だ
「共謀」罪の新設を巡る論争が進展して、論点が絞られてきたように見える。 政府は、オリンピックに向けたテロ対策のために共謀罪の新設が不可欠な理由として、次の3事例には現行法で対応できないからと主…
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共謀罪は法治国家の大原則に反する 法は行動のみを裁く
過去に3回も廃案になった「共謀罪」法案が、また修正されて今回の通常国会に提出されるそうである。 「共謀罪」の本質は、悪事を提案し合った(つまり共謀した)だけでその「考え」を罰することで、その悪…
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稲田防衛相の行動は憲法上の公人の政教分離原則に不十分
昨年末に、稲田防衛大臣が靖国神社を参拝してニュースになった。同大臣は、私費で玉串料を納め、「防衛大臣・稲田朋美」と記帳し、「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝したということだ」と説明している。…
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沖縄への不誠実な対応が「95条」の精神に反するのは明白
憲法95条は次のように規定している。 「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、……その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」 …
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言葉と論理を無視する政治の異常性
報道によれば、内閣法制局が、安保関連法(戦争法)に関する政府見解を整理した冊子を作成したそうである。 それによれば、昨年の解釈変更(集団的自衛権行使の解禁)について、まず、「安全保障環境の変…
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国民は緊急事態条項と家族条項の不当性に気付いていない
前稿で紹介した共同通信の世論調査の結果が示しているように、暴走する政権と、分裂して対抗勢力になれずにいる野党に対して、有権者たちは意外に冷めているようである。 とはいえ、あの調査結果には注意…
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国民は客観的に事実を直視し覚めている
10月下旬に新聞各紙に発表された憲法問題に関する共同通信の世論調査の結果は実に興味深い。 まず、「改憲問題に関心はあるか?」という問いに対して、「関心がある」が「78%」で、「ない」が21%…
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明示されない 「立憲主義は現代には通用しない」の根拠
衆議院憲法審査会で自民党の上川陽子代議士は次のようなことも言っている。つまり、「近代立憲主義は大きく変容しており、時代や国家観の変化に応じて進化する」。 しかし、まず本来的に不完全な人間が、…
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「基本的人権の尊重、国民主権、平和主義は堅持」の詭弁
衆参両院の憲法審査会が久しぶりに再開された。 そこでの議論を報道で見て、自民党の主張には、本当に驚かされてしまった。 それによれば、上川陽子代議士は、「(現行)憲法の基本原理である基…