佐高信「この国の会社」
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秘密組織「扇会」が暴露された“みそぎ”の東芝
府中工場では労働組合と一緒になって人権侵害と“職場八分”を繰り返し、上野仁に“職場八分裁判”を起こされた。これが上野1人に対する話ではなく、とにかく異論どころか疑問を持つことも許さないのだということ…
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菅政権とはパソナ取締役会長の「竹中平蔵政権」だ
2014年6月7日付の日刊ゲンダイに大きく「竹中逆ギレ」と書いてある。人材派遣のパソナの取締役会長の竹中平蔵が、同年5月10日に名古屋ローカルで放送された「激論コロシアム」(テレビ愛知)で、経済評論…
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出羽三山を「破壊」しようとした建設会社「前田建設」
会社は、それをひっくり返した社会によって育まれている。社会があって会社があるのであり、会社があって社会があるのではない。 しかし、そのイロハを心得ない経営者がこの国には少なくない。準大手ゼネ…
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作家・清水一行が「救い」だといったソニーはもうない
会社の派閥争いや社長のスキャンダルを暴いてきた作家の清水一行が「ソニーとホンダがあるのは救いだよね」と言ったことがある。ソニーの井深大やホンダの本田宗一郎がいることでこの国の経営者に絶望しないですむ…
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三菱グループではないのに商標が使える「三菱鉛筆」の謎
私は原稿は手書きで、三菱鉛筆のユニボールシグノ太字を使っている。このボールペンはなかなか描きやすい。 ところで、三菱鉛筆は三菱グループの会社ではない。「会社四季報」を開くと、設立は1925…
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村山由佳「風は西から」にはワタミの真実が描かれている
経済小説の作家とモデルに取材して、その「虚と実のドラマ」を描くことから出発した私は、ズーッと経済小説もしくは企業小説の傑作を追い続けてきた。ワタミをモデルにした村山由佳の「風は西から」(幻冬舎文庫)…
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宇宙ロケット模した社墓…新明和工業は変わり続けられるか
高野山にはパナソニックをはじめ、たくさんの企業の墓が並んでいる。私は「社墓」と呼んでいるが、山田直樹はそれらをルポして「企業墓」(イースト・プレス)を書いた。写真も出ていて、とりわけ目立つのは新明和…
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大西實から古森重隆へ…富士フイルムHD「負のDNA」
安倍晋三前首相の負の遺産の一つにアビガンがある。新型コロナウイルスに効くのかどうか、そして副作用はないのかも明らかではない時から、安倍は何度もこの名を口にして、アビガンではなくアベガンだなどとも言わ…
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コロナ禍だから業績を伸ばした移動スーパー「とくし丸」
コロナ禍でも、いや、コロナ禍だからこそ、「とくし丸」は業績を伸ばしている。 買い物難民のための移動販売で“おばあちゃんのコンシェルジュ”をめざした。その移動販売車が全国で600台を越え、還暦…
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宮内義彦のオリックスは「実は何か」が問われている
オリックスをわたしはオリエント・リースの頃から知っている。経済記者時代によく取材に行っていたからだ。 当時はリース業が一般的に馴染みが薄く、ソース会社なのにソースを売っていないと言われたり、…
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アサヒビール樋口廣太郎は勲章より苦情を大事にした
“朝日ビール”ではなく“夕日ビール”だなどと言われるほど落ち込んでいたアサヒビールの再建に住友銀行(現三井住友銀行)から村井勉や樋口廣太郎が送り込まれた。 村井にインタビューした時、住友金属…
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京セラ創業者・稲盛和夫という政治好き“教祖”
京都府八幡市の円福寺に「京セラ従業員の墓」というのがある。希望者は死後入れるらしい。 この面妖なものについて『ニューヨークタイムス』だったか、『エコノミスト』だったかに「どう思うか」と聞かれ…
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「ヤマト運輸」創始者の小倉昌男は官僚とケンカして勝った
辛口といわれる私がプラス評価をする数少ない企業がヤマト運輸である。クロネコヤマトの宅急便で知られる同社は、官営運送業の国鉄(現JR)や郵便局と闘い、その業績を飛躍的に伸ばしてきた。 実質的な…
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御用組合とカルロス・ゴーンを使い捨てた日産自動車の歪み
“日産中興の祖”と間違って呼ばれる川又克二(当時会長)と私の学生時代のゼミの教授、峯村光郎との対談を、私が編集していた経済誌で企画したことがある。峯村は公共企業体等労働委員会、すなわち公労委の会長を…
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三菱電機には会長の盛大な社葬のほうが安上がりだった
コロナ禍で葬式が簡素になっていると知って、社葬はどうなのだろうと思った。 国家と共に歩むなどと言っている三菱グループでは、銀行、商事、重工が御三家だが、電機が大きくなって“御四家”などとも呼…
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不正販売で処分の「かんぽ生命」が受け継いだ磯田イズム
日本郵政グループ傘下のかんぽ生命と日本郵便の社員573人が保険商品の不正販売問題で処分された。被害者の多くは高齢者だが、処分の対象者はさらに増えるという。特に悪質な現場の営業担当者は解雇されてもいる…
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裏金作りにキャバクラ接待 鹿島建設は“組”時代と変わらぬ
建設会社はいまでこそ大成建設や清水建設と名乗っているが、戦後まもなくは鹿島組とか清水組と称していた。大林組や熊谷組のように、現在も組のままのところもある。 そのために「日本では暴力団が組と言…
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ようやく“財界総理”を出した日立製作所
「経団連(日本経済団体連合会)というのは話し合いの場で、どうやって競争しないかを決める所です」と喝破したのは、ソニーの創業者の井深大である。「話し合い」というのは、つまり、談合で、井深の嫌う経団連は資…
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「ドン・キホーテ」は日本的経営に反逆して成長した
「日本一地価の高い所に店を構えて夕方6時には閉めてしまう。こんなやり方は絶対永続きしない」 東京は銀座の百貨店が並ぶ通りを歩きながら、ドン・キホーテの創業者、安田隆夫は作家の石川好にこう言った…
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東京電力は3.11の後、倒産させられるべきだった
『毎日新聞』の依頼で東京電力の株主総会をマスコミ用の会場で見たのは2011年6月29日だった。3.11のあの大事故から3カ月余である。 その入り口に「撮影、録音、配信につきましてはご遠慮願いま…