看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う
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死を前にして考えたい5つのこと
前回は「死」を肯定的に捉えるお話をしました。今回は、日本の多死社会において、病や老いなどによって人生を終える時期「エンド・オブ・ライフ」について取り上げます。 エンド・オブ・ライフとは、患者…
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がん死は怖い?
今週末、「死の臨床研究会」の年次大会が札幌で開催されます。皆さんは、日常生活の中で真剣に「死」を考える機会はありますか? 私たちは、生きている者にはすべて死や終わりがあることは理解しているの…
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がんの心の不調に対応 「サイコオンコロジー」ってなに?
9月23、24日に北海道札幌市で第29回サイコオンコロジー学会総会が開催されました。今回は、がん医療で「心」を専門とするサイコオンコロジーについてお話しします。 サイコオンコロジーとは、「精…
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ありふれた症状が重篤な疾患の兆候に
だれもが経験するありふれた症状が、がんの患者さんでは重篤な疾患に至るサインとなるケースがあります。 今回は「高アンモニア血症」を取り上げます。高アンモニア血症とは、体内のアンモニアが分解され…
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口の渇き、吐き気などの症状は「高カルシウム血症」かも
前回に引き続き「オンコロジックエマージェンシー」を取り上げます。 がんに関連した原因で、救急対応を必要とされる致命的な状態に陥ることです。たとえば「吐き気」といったひとつの症状でも、「がんそ…
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「オンコロジックエマージェンシー」を知っていますか?
「オンコロジックエマージェンシー」という言葉を、医療関係者以外でご存じの方は少ないのではないでしょうか? がんに関連した原因で、救急対応を必要とされる致命的な状態に陥ることです。がんにはさまざ…
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リンパ浮腫とどう付き合うか
「私は子宮頚がんなのに、どうして歩けなくなるの? 私の足と吉田さんの足、交換してよ」 患者さんから泣きながら訴えられたことがあります。 その患者さんは子宮頚がんの手術後、抗がん剤治療を…
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痛みを数字で表すと? 体が発するサインに向き合うこと
「全く痛くない」をゼロ、「最大の痛み」を10とした場合、今の痛みを数字で表現するといくつですか――? これは、がん患者さんへ医療者がよくする質問です。がんは痛みを伴うことが多いので、その程度を…
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がんと「リハビリ」は今や切っても切れない関係に
がんも「リハビリ」がとても重要だということを知っていますか? がんのリハビリにはいろいろな種類があります。予防あるいは回復に関わる「手術前の身体機能を取り戻す手術前後のリハビリ」、化学療法や…
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良い医療・病院を見極めるために 違いは“サービス”に出る
先日、連載を読んでくださっている読者の方から、お手紙を頂戴しました。その方は、奥さまを闘病の末に亡くされたとのこと。お手紙を拝見し、「良い医療を選ぶにはどうしたらいいのか」と、改めて考えさせられまし…
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緩和ケアスクリーニング「3つのメリット」
がん診療連携拠点病院で、緩和ケアに関する「スクリーニング」(緩和ケアスクリーニング)が診断時から外来や病棟で行われるようになりました。 2015年に始まったばかりで課題も多いのですが、今回は…
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専門性の高い看護婦の「同行訪問」は在宅療養の強い味方
専門性の高い看護師の「同行訪問」をご存じですか? 2012年の診療報酬改定で、がん看護専門看護師、がん分野の認定看護師、皮膚・排泄(はいせつ)ケア認定看護師が、訪問看護ステーションの看護師と…
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正しい医療情報選びには「3つのポイント」がある
テレビ、新聞、ネット上には、がんに関係する情報が多くあります。みなさんは、正しい情報とそうでないものを見分けられますか? 今回は、治療と笑顔で付き合うがん情報について取り上げたいと思います。 …
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「抗がん剤」投与後2日間は性行為を控えること
前回に続き、がんとセックスについてお話ししたいと思います。がんの手術後は、体力低下、体勢の制限、ボディーイメージの変化があります。以前のセックスにこだわらず、「セックスの時間を短くする」「体位を変え…
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「がんになったってセックスしたい」は当たり前の感情
「がんになったって、調子が良ければキスだってハグだってセックスだってしたい」「パートナーががんになった。でも、無理のない範囲でセックスをしたい」――。これらは、患者さんとそのパートナーの隠された本音だ…
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がんとともに生きる 「仕事継続」が治療の支えになる
昨年10~12月、厚労省の研究班が国立がん研究センターなど3つのがん専門病院で、がんと診断された時に就労していた患者を対象に調査を行いました。 その結果によると、がんと診断されて仕事を辞めた…
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がん患者に「死にたい、楽にしてほしい」と言われたら…
終末期医療に関わっている医療者であれば、一度は患者さんから「もう死にたい、楽にしてほしい」と言われた経験があるはずです。残された時間が短いがん患者さんは、そのように思うことが多い。読者のみなさんは、…
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がん進行で患者苦痛 「スピリチュアルペイン」の緩和策は
「自分でトイレにも行けないなんて……。人さまに迷惑かけてまで生きていたくないよ。早く楽になりたいなぁ」 60代後半のAさんは私におっしゃいました。だれもが、他人の手を借りなくてはいけなくなった…
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がん告知 家族や友人が宣告されたらどう対応するべきか
がん告知や再発、治療の中止などの悪い知らせは、ひとりでは抱えきれないほど大きな不安やストレスです。周囲の支えが必要となります。 ご本人は「同情されたり、かわいそうと思われたくない」と周囲から…
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抗がん剤の吐き気対策 「食べられる時に食べられるだけ」
抗がん剤の吐き気対策としては、「症状に応じて吐き気止めを使用してもらう」に加え、「食べられる時に、食べられるものを、食べられるだけ」が鉄則です。 病院では、決まった時間に3食、患者さんが吐き…