もっと知ろうよ船橋ケイバ「初代かしわ記念馬 ストロングブラッド」

公開日: 更新日:

 今開催のメインは、船橋ケイバ最大のレースであるかしわ記念(JpnⅠ)。ゴールデンウイークの最終日である5日(水・祝)に行われる。

 ただ、同じ船橋の重賞でもダイオライト記念が今年で第66回、秋の日テレ盃が68回目を迎えるのに対して、かしわ記念は第33回。歴史は比較的、新しい。

 かつては準重賞として始まり、重賞となったのは89年から。今のように統一GⅠ(07年からはJpnⅠに)の競走になったのは05年のことだ。

 前年の①着賞金4500万円が、この年から6000万円に増額。当然、それにふさわしい豪華メンバーが集まった。

 10頭立てで1番人気は同年のフェブラリーSを逃げ切ったメイショウボーラー。2番人気アドマイヤドンは前年のJBCクラシック勝ち、JCダート②着などがある古豪だ。

 3番人気は地元・船橋のナイキアディライト。前年の日テレ盃馬で、前走は大井のマイルグランプリ勝ちで臨んでいた。

 4番人気がタイムパラドックス。前年のJCダートを勝ち、この年は川崎記念を制していた。

 だが、勝ち馬はこの中のいずれでもない。5番人気でJRA馬の中では最低人気、GⅠ(JpnⅠも含む)実績が全くないストロングブラッドだった。GⅠとなってからの“初代”かしわ記念の勝ち馬は非常に面白い経歴を持っている。

 重賞タイトルはそれまでに3つ。

 4歳時の03年4月、福島で行われたカブトヤマ記念で鼻差勝ち。父内国産馬による重賞だった。

■トウカイテイオー産駒としては唯一の交流重賞勝ち

 当時、マル父と呼ばれる馬による重賞はカブトヤマ記念、愛知杯、中日新聞杯と3つあったが、今はすべて形を変えている。カブトヤマ記念の名前は廃止され、福島牝馬Sに。ストロングブラッドは最後のこのレースの勝ち馬となった。

 2勝目は同年9月のさくらんぼ記念。その名の通り、山形県上山競馬場の重賞だが、この年をもって同競馬場は廃止されてしまった。

 翌04年の5月、重賞3勝目の舞台となったのは群馬記念。千五1分32秒2のレコードVだったが、この年の暮れをもって高崎競馬は廃止になった。

 つまり、ストロングブラッドはかしわ記念が今のような船橋最大のレースとなってから最初の勝ち馬で、同時にカブトヤマ記念、さくらんぼ記念、群馬記念の最後の勝ち馬でもある。

 また、トウカイテイオー産駒でダートの地方交流重賞を勝ったのもこの馬だけ。かしわ記念の名をさらに広めた馬は、異色の経歴、エピソードの多い馬だった。

■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト



日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  2. 2

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  5. 5

    パワハラ告発されたJ1町田は黒田剛監督もクラブも四方八方敵だらけ…新たな「告発」待ったなしか?

もっと見る

  1. 6

    矢沢永吉「大切なお知らせ」は引退か新たな挑戦か…浮上するミック・ジャガーとの“点と線” 

  2. 7

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 8

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは