「首都襲撃」高嶋哲夫著

公開日: 更新日:

「首都襲撃」高嶋哲夫著

 夏目明日香は、女性初の総理・新崎百合子付のSP。1年前に起きた官邸襲撃事件で体を張って新崎を守った際に、傷を負ってしばらく任務から離れていたが、新崎からの強い要望で再び新崎の警護に復帰した。

 しかし、そのタイミングで新崎は欧米で起きている連続テロ事件に毅然とした態度を見せる必要性を説き、周囲が危ぶむなかテロ撲滅世界会議の東京開催を宣言。G7の首脳が日本に集まり、テロ支援国家に対して経済制裁を伴うテロ撲滅宣言をすることとなった。

 ところが、その結果、東京がテロリストたちの格好の標的になり、六本木で爆発テロが発生。実行犯は現場で死に、直接の指示者は突き止めて逮捕したものの、背後に大規模なテロリストグループの気配があった。動揺する各国に毅然とした態度を発信する新崎だったが、果たして世界会議は無事開催できるのか……。

 本書は、前作「官邸襲撃」に続くクライシス小説。安全な国といわれる日本の首都・東京がテロのターゲットとなったとき、どんな事態が起こるのか。女性SPの目を通して、対策が後手に回ってしまう日本の危うい状況が描かれている。

(PHP研究所 2530円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?